新電力会社で停電・倒産したら?
重要な社会インフラ
電力自由化によって一般家庭でも、従来の電力10社か新電力会社のどちらかを選ぶことができるようになります。
これまで、電力会社は民間企業であるのにも関わらずさまざまな規制によって縛られてきた理由は、安定した国民生活を守るためにも重要な社会インフラである電気供給を行うためでした。
電力自由化によって規制緩和が進んだ場合、電気料金の引き下げなどによって消費者は大きな恩恵を受けられると言われていますが、
その反面、競争激化によって新電力会社が倒産してしまい、停電状態が続いてしまうのではないのかという声も聞こえてきます。
倒産などのリスクに備える
電力自由化にあたり、新電力会社の倒産や停電といったリスクに備えるため、さまざまなセーフティーネットが考えられています。
まず一つ目として、新たに設立される広域的運営推進機関が挙げられます。
広域的運営推進機関とは、電力不足が発生しないように電気使用量と発電量のバランスを調整して地域間で電力を融通し合うシステムです。
停電リスクが高まった場合に調整弁の役割を果たします。
次に、新規参入する企業に対してライセンスを付与する制度がスタートします。
ライセンス制度は「消費者保護」のためにさまざまな制約を課すものとなっており、重要な社会インフラである電気事業を推進する責任を負ってもらう内容となっています。
セーフティーネットの設計
新電力会社の倒産に対しては、フォロー制度の導入によって仮に電力提供企業が破綻してしまっても、既存の電力会社のフォローによって利用者は停電することなく安心して契約することができます。
アメリカやヨーロッパに先行事例では、電力自由化の影響によって過当競争が起こってしまい大規模停電や電力会社の淘汰が発生しました。
日本においてもこうしたリスクは少なからず存在しているため、セーフティーネットの設計によってカバーしていく仕組みが整いつつあります。